情報通信機器を用いて医師の面接指導を行う際の留意点

Posted on 2020/12/18

 労働安全衛生法において、長時間労働やストレスチェックにより一定の基準を満たす労働者に対して、医師による面接指導を実施することが求められています。ところが現在、新型コロナウイルス感染症の感染予防の観点から、直接面接することが難しいケースがあり、会社としては情報通信機器を用いて面接指導を行う方法を検討することもあるでしょう。先月、厚生労働省は情報通信機器を用いて面接指導を行う場合の留意点を改正し、示しました。

[1]情報通信機器を用いた面接指導の実施に係る留意点

 会社は、面接指導を実施する医師に対して、面接指導を受ける労働者が業務に従事している事業場に関する事業概要、業務の内容、作業環境等に関する情報、面接指導の対象となる労働者に関する業務の内容、労働時間等の勤務の状況、作業環境等に関する情報を提供する必要があります。
 また、面接指導を実施する医師は、以下のいずれかの場合に該当することが望ましいこととされています。

  1. 対象労働者が所属する事業場の産業医であること
  2. 少なくとも過去1年以上の期間にわたって、対象労働者が所属する事業場の労働者の日常的な健康管理に関する業務を担当していること
  3. 過去1年以内に、対象労働者が所属する事業場を巡視したことがあること
  4. 過去1年以内に、当該労働者に指導等を実施したことがあること

[2]面接指導に用いる情報通信機器と面接指導の実施方法

 面接指導に用いる情報通信機器については、以下のすべての要件を満たす必要があります。

  1. 面接指導を行う医師と労働者とが相互に表情、顔色、声、しぐさ等を確認できるもので、映像と音声の送受信が常時安定しかつ円滑であること
  2. 外部への情報漏洩の防止や外部からの不正アクセスの防止の情報セキュリティが確保されること
  3. 労働者が面接指導を受ける際の情報通信機器の操作が、複雑、難解なものでなく、容易に利用できること

 また、衛生委員会等で情報通信機器を用いた面接指導の実施方法に関して調査審議を行った上で、事前に労働者に周知しなければなりません。また、実際に情報通信機器を用いて実施する場合は、面接指導の内容が第三者に知られることがないような環境を整備するといった、労働者のプライバシーに配慮していることが求められています。
  新型コロナウイルス感染症の拡大により、生活様式や働き方に変化があり、ストレスを感じる労働者が多くいることが想像されます。このような環境下だからこそ、労働者の心身の状況の確認や必要な指導が適切に行うことができるよう、仕組みを整えていきましょう。

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