休業手当を支給したときの定時決定(算定基礎)の注意点

Posted on 2020/06/19

 新型コロナウイルス感染症の拡大の影響から、従業員を休業させ、通常の給与より低額の休業手当を支給することがあります。この休業手当が、4月から6月の間に支給された場合には、社会保険の定時決定の取扱いにおいて注意が必要となります。そこで今回は、その注意点を確認しておきましょう。


1.社会保険の定時決定

 社会保険の標準報酬月額は、会社が実際に従業員に支給する給与と、標準報酬月額との間に大きな差が生じないようにするため、7月1日に在籍している従業員について、4月から6月の間に支給した給与の額を届け出ることで見直しが行われます。これを社会保険の定時決定(算定基礎)と呼びます。
 定時決定で見直された標準報酬月額は、原則としてその年の9月から翌年の8月まで適用されます。なお、6月1日から7月1日までに被保険者の資格を取得した従業員等、一部の従業員は、この届出の対象から除外されます。

2.休業手当を支給した場合の注意点

 社会保険の標準報酬月額を決定する元となる給与には、基本給をはじめ家族手当や役職手当、通勤手当等の各種手当も含まれ、また、会社都合の休業により支給された休業手当も含まれます。また、休業手当を支給した日は、定時決定における支払基礎日数に含めることになっています。
 4月から6月の間に休業手当を支給した場合の定時決定の取扱いは、7月1日時点で休業が終わっている(休業手当を支給しておらず、その後も休業手当を支給する予定がない状況)か否かにより、取扱いが異なります。
 基本的な考え方は、休業が終わっている場合は通常の給与を支給した月を対象として定時決定を行い、休業が終わっていない場合は通常の給与を支給した月と休業手当を支給した月の両方を対象にして定時決定を行います。ただし、休業が終わっているものの、4月から6月までのいずれの月も休業手当が支給されている等の様々なケースが想定されます。そのため、詳細については日本年金機構のホームページに掲載されている例を参考にしたり、管轄の年金事務所に確認したりしましょう。
 いずれにしても7月1日時点の状況が、定時決定を行う上での判断基準になり、算定基礎届の内容も大きく変わるため、7月1日以降の休業の予定は早めに見極める必要があります。

 

 また、日本年金機構のホームページには、算定基礎届の提出にあたり、記入に係る基本的な事項から具体的事例、提出方法等についての説明動画が公開されています。会社都合による休業により、休業手当を支給した場合の対応は「一時帰休による休業手当が支給されているとき」という項目で説明されているので、併せて確認するとよいでしょう。

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