衛生管理者が不在となる場合に必要な企業の対応

Posted on 2020/09/11

 従業員数が50名以上の事業場は、業種を問わず、衛生管理者を選任する義務がありますが、衛生管理者を選任した後に、その衛生管理者が育児休業などで長期休業に入ることになった場合の対応が課題となります。そこで今回は、衛生管理者の職務内容を確認した上で、不在となる場合の対応についてとり上げます。

[1] 衛生管理者の職務

 衛生管理者は、主に以下の事項を職務内容として行うこととされています。

  1. 健康に異常がある者の発見および措置
  2. 作業環境の衛生上の調査
  3. 作業条件、施設等の衛生上の改善
  4. 労働衛生保護具、救急用具等の点検および整備
  5. 労働衛生教育、健康相談その他労働者の健康保持に必要な事項
  6. 労働者の負傷および疾病、それによる死亡、欠勤および移動に関する統計の作成
  7. 衛生日誌の記載等職務上の記録の整備等
  8. 定期巡視(少なくとも週1回)

 8.の定期巡視については、実際、曜日や時間帯によって作業内容が異なることもあるため、曜日や時間帯を変えて行う必要が出てきます。また、遅くまで時間外労働をしている従業員がいる場合には、過重労働となっていないか、その状況を調査する必要もあるでしょう。これらのほか、衛生管理者は衛生委員会の構成員になっているため、少なくとも月1回開催される衛生委員会に参加する必要があります。

[2]衛生管理者が不在となる場合の対応

 衛生管理者が休業等やむを得ない事由によって職務を行うことができないときは、代理を選任することになっています。その際、代理者の資格については、通達(昭和23年1月16日 基発第83号、昭和33年2月13日 基発第90号)で以下のように示されています。

  1. 衛生管理者の資格を有する者がいれば、その者に代理させること
  2. 1.によることが不可能または不適当な場合は、保健衛生の業務に従事している者または保健衛生の業務に従事した経験のある者

 また、同じ通達の中で、衛生管理者が長期にわたって職務を行うことができない場合には、別に衛生管理者を選任することとされています。
 以上のことから、例えば新型コロナウイルス感染症に罹患し、少なくとも週1回の定期巡視ができない場合は、代理者の選任が必要となります。また、育児休業や介護休業などの取得で長期休業に入る場合については、別に衛生管理者を選任する必要があります。
 安全衛生への取組みは最重要項目であり、その一部を担う衛生管理者の職務の重要性は高まっています。企業としては、その職務が確実に行われるよう、不在となる場合や長期休業となる場合に対応できる体制を作っておきましょう。

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