改めて確認したい管理監督者の労働時間の把握義務と割増賃金の支払い

Posted on 2019/08/19

管理監督者は、労働基準法における労働時間、休憩、休日の規定が適用されません。そのため、深夜労働に対する割増賃金についても支払わなくてもよいといった管理監督者に関する誤解が見受けられます。そこで今回は、管理監督者についても求められる深夜割増賃金の支払いと労働時間の把握についてとり上げます。

 

1.深夜割増賃金の支払い

管理監督者については、労働基準法第41条により、労働基準法第4章、第6章、第6章の2で定める労働時間、休憩、休日に関する規定の適用が除外されています。具体的には1週40時間、1日8時間の労働時間、原則60分以上の休憩、原則週1回の休日のことを指します。ところが、深夜時間(22時から翌日5時まで)に対する労働については除外されておらず、管理監督者が深夜時間に労働をした場合には、深夜時間に対する割増賃金(深夜割増賃金)の支払いが必要になります。

 

2.労働時間の把握の必要性

2017年1月20日に「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が策定されました。労働時間の把握や管理はこのガイドラインに沿って行う必要がありますが、管理監督者はこの対象から除かれていました。ただし、ガイドラインの中では「ガイドラインが適用されない労働者についても、健康管理を図る必要があることから、使用者において適正な労働時間管理を行う責務がある」とされています。会社は、1.で確認した深夜割増賃金を支払うことや、過重な長時間労働を防ぐ観点からも管理監督者の労働時間を把握する必要性があります。
労働基準法では以上のように整理されますが、更に労働安全衛生法の観点では、今年4月に長時間労働者に対する面接指導を確実に実施するよう労働者の健康管理が強化されています。面接指導を実施するためには、その前提として労働時間の状況の把握が必ず必要となります。つまり、一般の労働者のみならず、管理監督者についても労働時間の状況を把握する必要があるとされています。

 

ここでは、あくまでも労働基準法で定める管理監督者に該当していることを前提として解説をしてきました。労働時間の管理や割増賃金の支払いに問題がないかを確認することはもちろん、そもそも管理監督者として取り扱うことに問題がないかも重要となります。お困りのことがございましたら、当事務所までお気軽にご連絡ください。

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