重要性が増している定期健康診断の実施

Posted on 2019/09/27

健康経営という言葉を耳にすることが増えており、企業において従業員の健康への関心が高まっているように感じます。労働基準行政においても労働者の健康確保に力を入れており、労働基準監督署の調査においては衛生管理者の選任や衛生委員会の設置に関することだけでなく、健康診断の実施などについても指摘されることが増加しています。そこで、今回は法律により実施が求められている定期健康診断(以下、「健康診断」という)の内容について確認しておきましょう。

[1]健康診断の実施対象者

健康診断は、労働安全衛生法および労働安全衛生規則において、1年以内ごとに1回(深夜業に従事する労働者等は6ヶ月ごとに1回)、定期に実施しなければならないとされています。健康診断の実施対象者は、常時使用する労働者であり、正社員だけではなく、パートタイマーやアルバイトであっても、以下の要件のいずれにも該当する場合には実施することになっています。

1.無期契約の労働者や契約期間が1年以上である労働者、契約の更新により1年以上使用することが予定される労働者、既に1年以上引き続き使用している労働者

2.1週間の労働時間数が、その事業場の通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上である労働者

[2]定期健康診断と雇入れ時健康診断との関係

定期健康診断のほかに労働者を採用したときには、雇入れ時の健康診断を実施する必要があります。実務上よくある疑問として、採用後すぐに会社の定期健康診断が予定されている場合、雇入れ時の健康診断を実施せず、定期健康診断を受けさせるのみでよいかということがあります。このようなときであっても、健康診断を実施する目的が以下のように異なるため、雇入れ時の健康診断を実施する必要があります。

・雇入れ時の健康診断
雇入れ後、労働者を配置する際の健康上の配慮が必要であるかを確認したり、入社後の健康管理の基礎資料とするもの
・定期健康診断
労働者の健康状態を定期的に把握し、その結果によって就業上の必要な措置を講じるためのもの

 

 

健康診断を実施した後は、健康診断の結果を記録しておく必要があり、健康診断個人票を作成し、これを5年間保存しておくことが求められます。また健康診断の結果、異常の所見が認められた場合、医師等からの意見聴取を実施する必要があります。この意見聴取とは、就業上の措置に関してその必要性の有無や講ずべき措置の内容について、医師等に意見を聴くことであり、その意見を基に会社は必要に応じた措置を講じることになります。また、医師等の意見は健康診断個人票に記載します。労働基準監督署の調査では、この医師等からの意見聴取を行っていないとして、是正勧告が行われる事例が多くなっていますので、いま一度、健康診断実施後に実施すべき事項を整理しておきましょう。

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