確認しておきたい雇入時の健康診断の取扱い

Posted on 2021/04/02

確認しておきたい雇入時の健康診断の取扱い

 会社は従業員に対し定期的に健康診断(定期健康診断)を実施するほか、常時雇用の従業員を雇い入れる際にも、定期健康診断とは別に、雇入時の健康診断を実施する義務があります。そこで今回は、この雇入時の健康診断の取扱いについて確認します。

1.健康診断の実施目的

 雇入時の健康診断は、雇入後、従業員を配属する際に健康上の配慮が必要であるかどうかを確認したり、入社後の健康管理の基礎資料としたりするために行うものです。これに対し、定期健康診断は従業員の健康状態を定期的に把握し、その結果によって就業上の必要な措置を行い、脳・心臓疾患の発生の防止、生活習慣病等の増悪防止を図るために行うものです。
 同じ健康診断ですが、目的に違いがあるため雇入時の健康診断の実施を省略することはできません。また、この雇入時の健康診断は法令等で実施時期について「雇入れるとき」と規定されています。明確な指定はないものの、実施目的と照らし合わせると、雇入れの直前または直後で、できるだけすみやかに実施することを求められます。

2. 雇入時の健康診断の実施の省略

 雇入時の健康診断の実施は、3ヶ月以内に医師の健康診断を受けており、その結果を証明する書類を提出したときには省略することができます。ただし、健康診断において実施すべき項目は労働安全衛生規則で定められており、結果を証明する書類が提出された際には3ヶ月以内のものであるかの確認とともに、実施項目は網羅されているかの確認が必要です。実施すべき項目が網羅されていないときには、その項目について実施する必要があります。

 雇入時の健康診断として、採用選考時に健康診断を実施する会社もあるようです。採用選考時における健康診断はその必要性を慎重に検討して、真に必要な場合に、応募者に対して検査内容とその必要性についてあらかじめ十分な説明を行った上で実施することが求められます。雇入時の健康診断を実施する目的を再確認し、目的に沿った運用をしていく必要があります。

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